今年も、神戸学院大学の現代社会学部「地域コミュニティ入門」講座に、ゲスト講師としてお招きいただき、「企業と地域コミュニティ」の話をさせていだきました。
私のキャリア論
私はテニスインストラクターを経て、市議会議員としてキャリアをスタートしました。
その後、中小企業の事業再生コンサルタント会社と、CSR・SDGs・地方創生を手掛けるベンチャー企業の取締役を経て、ビズデザイン大阪を立ち上げました。
そのキャリアの中では、
What(何をするか)だけでなく、How(どうやるか)と、Who(誰とやるか)も大事
であると実感しました。
それから、キャリアを考える上では、仕事だけではなくプライベートも含めて、
Want(したいこと)、Can(できること)、Must(やらなければならないこと)を整理
する必要性を感じます。
大学生の皆さんに、キャリア論で有名な心理学者グランボルツ教授の計画的偶然性理論を紹介させてもらい、その5つの要素である「好奇心」「持続性」「柔軟性」「楽観性」「冒険心」をもって物事に取り組めば、きっと活躍の場があることをお伝えしました。
議員・コンサルタントとして見えてきた、企業が抱える問題
私は議員時代に、社会課題が多様化している今の世の中においては、社会課題を行政がすべて担う時代は終わったと痛感しました。
そして、中小企業の再生に関わるコンサルタント時代に、再生に陥る企業は、❝あたりまえ❞のことを❝あたりまえ❞にできていない現状に愕然とし、企業が社会問題を引き起こす要因の一つであると実感しました。
その経験から、CSR(企業の社会的責任)の重要性を認識し、各組織の❝あたりまえ❞のレベルを上げることで、社会と組織(企業)のサスティナビリティに取り組むようになりました。
産官学民の4つのセクターで従事した経験を活かし、セクターの枠組みを超えて、社会課題の解決のために連動して動く社会を目指しています。
社会問題を引き起こす企業とは
企業は社会の公器である一方で、倫理感のない企業が社会問題を引き起こします。
その時、消費者は、サービス・商品で選びますか?会社で選びますか?
社会問題を引き起こす企業から消費者が離れていくのは自明です。
そして、❝あたりまえ❞のレベルが低い企業は、事業環境が変化する時に変化に全く対応ができずに衰退していきます。
CSRと企業のサスティナビリティ
衰退企業とは逆に、企業が❝あたりまえ❞のレベルを上げることができれば、消費者に支持され、事業の持続可能性も向上します。
そこで、CSR(企業の社会的責任)の概念が重要な指針となります。
CSRは決して新しい概念ではないのですが、グローバル化が進行し、環境問題が世界的な課題として認識され、消費者の価値観も非常に多様化している今の世の中においては、CSRから逸脱する企業は淘汰されていくでしょう。
企業が何を大事にしているかを明確にして、消費者からの共感と支持を得る。
同時に、多様な価値観をもつ消費者の本当のニーズを丁寧に探り、社会の変化にしなやかに対応できる企業が、生き残っていくと考えられます。
企業と地域コミュニティ
企業が本業で世の中のニーズ・変化・課題に応えていけば、社会の生活の質も向上していくはずです。
誰かを犠牲にするビジネスは長続きしません。
「誰一人として取り残さない」まさにSDGsの観点で、企業がそれぞれの本業を展開していけば、社会はきっと良い方向に変わっていくと信じています。
そして、大学生の皆さんもひとりひとりがさまざまな形で企業と関わりをもっています。
ステークホルダー(利害関係者)です。
商品やサービスを安さやイメージだけで買っていないでしょうか?
法律に抵触していなくても、誰かを傷つけている企業はどんな企業でしょうか?
自分が関わりたい(買い手としても働き手としても)企業はどんな企業ですか?
是非、企業を見る目を養って、企業リテラシーを上げてもらえると嬉しいです。
神戸学院大学での授業の様子
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