大廃業時代における雇われない生き方「事業承継3.0=Reベンチャー」
~協業から見えてきた成功と仮設と新たな課題~
続いての分科会は、”大廃業時代における雇われない生き方「事業承継3.0=Reベンチャー」”です。
前半は、友田より㈱七尾街づくりセンターの事業承継の取り組みや課題についての共有をさせていただきました。
▼創業より廃業の数の方が圧倒的に多い
▼創業に経験はいらない、欲しいのは「若さ」と「勢い」!
▼若いうちに起業・承継をした方が売り上げが伸びる!?
▼七尾の事業承継のネットワーク=【七尾事業承継オーケストラ】をご紹介 七尾市の七尾の経済的地盤沈下を防ぐため、以下3つの目標を掲げております。 ・ 廃業数、倒産数を減らす。
・若者が働ける場、働きたい仕事を残す。
・七尾として残したい企業を守る。
これらの実現のために関係機関が連携して、案件に取り組んでおります。 その仕組みが【七尾七尾事業承継オーケストラ】です。
地元の金融機関・経済団体・行政・士業が協力体制を作っています。
→事業承継の関連機関がタッグを組み、それぞれ単体で支援するのではなく、ゆるやかに連携し、あらゆる側面からフォローしていこうという取り組みです。
機関同士が横のつながりを持ち、情報共有をすることで、スムーズな事業承継に繋がります。
同じく、廃業をなくすべく、廃業問題対策にも取り組んでいます。
これまでの事業承継といえば、事業はその子供が継ぐもの=事業承継1.0 少し規模の大きな会社になれば、社内の人間が継続していく=事業承継2.0 事業承継3.0とは、家族親族社内ではなく、外部から人材を迎え入れ、時代の変化に対応すべく新しいアイディアや価値観を取り入れる事業革新=Reベンチャーを行うこと。 ㈱七尾街づくりセンターではこの事業承継3.0を進めるべく支援を行っています。
この取り組みに㈱七尾市街づくりセンターと一緒に取り組んでいただいている㈱アントレの川本氏にもお話を伺いました。
▼㈱アントレ 取締役 川本氏より、㈱アントレは支援型独立の領域を支援しており、七尾街づくりセンターの取り組みに共感いただいたことが協業のきっかけとのこと。
七尾のやり方は注目度が高いというコメントをいただきました。
実は、このような情報開示は事業承継の分野においては画期的! これまではこういった情報がないまま話が進むのが一般的でした。 顔出しと事業所名が初めからオープンで話をスタートできるのは受け継ぐ側にとっては行動を起こしやすく、その結果、応募者が圧倒的に増えたとのこと。 情報の不透明さが会社を承継する壁になっていたということが見えてきたそうです。 さらに見えてきた課題は、その街にその事業が必要なのか?という「公共性の評価」が出来ないと、今後資金面での成立が難しいという点と言えるとのことでした。
続いて、質問が相次いだ質疑応答をご紹介します。
Q)事業承継にはどのようなスキルがいりますか?資金は?
A)資金は? 事業の売買になります。または建物などの買取が必要になります。(友田) A)スキルについては? テクニカルスキル より ヒューマンスキル。 ビジネス面より、どちらかと言えばコミュニケーション能力、継続力。(川本氏) テクニカルの部分はやってくうちに身に付くものがほとんど、早い遅いはない 。(友田) 承継する会社を見極める力が必要、と川本氏。 承継後トラブルになりうる財務関係と属人性・人間関係を含めたの内部事情を引き継いでおく(=デューデリジェンス) 心構えが大切だと支援する側の立場としては強く感じています。(友田)
Q)資金面がハードルが高いようだが、気に入られると安く引き継げたりすることはある? A)そういう場合も、あります(友田) Q)独立は勇気がいると思うのですが、勇気を乗り越えるには何があるといいと思いますか? A)行動あるのみ! その街を見に行く、その会社を見に行くことで情報量が多いと不安を取り除くことに繋がる。 七尾市の案件で「一回入社してみませんか?」は不安を取り除くのによい機会 「お試し入社」からの承継、がスムーズな承継になりやすい。
Q)21件面接した中で、実際話が進んだ案件が1件のみというのはどこに課題があると思いますか?
A)普通の独立開業と違ってファクターが多い。 通常の起業とは違い、移住と仕事の両方の覚悟がいる。 その場所その業種という限定されたものからしか選べないので、年単位のリードタイムになる。(川本氏) A)売買価格の問題がある。 思った以上に資金がかかるということ。 案件が発生した時点では一番価格が高いため、時間が解決するようなこともある 事業承継をスタートして、実際決まるまで7年かかることも普通にある(友田)
Q)実際に事業継承の視察などはありますか?
A)事業承継を希望する事業を訪問するツアーを七尾市で開催しています。 移住先の四季も経験出来るのでおすすめ Q)事業承継を希望する企業はどのような業種でしょうか? A)小規模事業者、家族経営、従業員が5人以上の会社はほとんどない 業種は、七尾では旅館、飲食店、製造業、と多岐に渡る 宮崎市では、飲食店が多い、一方で事業の選択と集中で事業を切り離したいという要望が多くその地域によって特色がある
Q)なぜここまで七尾市の事業承継の情報はオープンに出来ているのか?(川本氏より) A)これまでのコンサルティング事業の経験上、情報のオープン化は銀行が嫌がる、また周りの人から止められるということで、逆に事業者本人さえOKすればオープンに出来ると感じていた。 顔を出した方が希望者が増えますよ、と事業者さんとコミュニケーションをとりながら進めている。もちろん出せる範囲で構わない。 Q)アントレに掲載している事業の掲載のきっかけは?(川本氏より) A)ほとんど七尾街づくりセンターからのアプローチ。 事業者さん自身が、自身の事業を引き継ぐ人がいると思っていない。
そこをアプローチし続けている。 そもそもこういうやり方がある、ということ自体が知られていない。 (友田) Q)承継しなければならない事業ってありますか?たとえ赤字でも。(川本氏より) A)黒字が難しくても、コストを下げたりすることは出来る。将来的にキャッシュフローが好転する可能性はある。 地方の信用金庫も協力的。 経済を立て直す、という努力をしてくれている印象。(友田)
例え1億や10億の事業でなくても、粛々と事業を継続する家族経営や小規模の事業が七尾市の経済を支えています。 能登の自然を感じながら生活するというライフスタイルは地方だからこそ。その場所その人の幸せの形があっていい、と友田。 事業承継はネガティブじゃない
未来へのハッピーな情報、だからこそオープンに。
創業より廃業の数が多い時代を迎え、事業承継という廃業でなく事業を存続させる方法もあるという話をさせていただきました。
事業承継は未来を見据えて「この事業が続いていきますよ」という意思で行うもの。
情報のオープン化によって、事業継承3.0のに興味を持ち、共感してくださる人が増え、関わって下さる人が増えて欲しいという想いで支援を行っています。
移住をお考えの方や移住後の仕事にお悩みの方の今後のヒントになれば幸いです! 七尾市に移住をお考えの方、七尾市で事業承継をお考えの方はぜひお声がけください。 他の自治体で廃業問題に取り組みたい、事業承継の問題に取り組みたい自治体の方もまずはお気軽にご相談下さい。
今回のローカルベンチャーベンチャーサミットでお伝えしました「ワーケーション」「事業承継」「社会的インパクトを起こす取り組み」。 これらの取り組みにご興味がございましたら、弊社までお気軽にご相談下さい。 ▼ビズザイン大阪 https://www.biz-design-osaka.com/
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