二拠点居住をはじめとする多拠点居住が注目されている。
拠点を増やすにあたって、新たな人間関係を築く・新しい土地での暮らしに必要なスキルとして一番に挙げられるのはコミュニケーション能力だ。 ▼参考記事 【コラム】完全アウェーをホームに変えるコミュニケーション術 https://www.biz-design-osaka.com/post/communicationskill
このコミュニケーション能力に加えて、ぜひとも身に付けてほしいスキル「時間管理力=タイムマネジメント」について、11年以上二拠点居住を経験している私なりの考えをふまえてお伝えしたい。 このスキルは、コミュニケーション能力と違って、習得が難しいということはない。 むしろ今日から始められて、すぐに効果を感じられるものだ。
■拠点が増えると移動時間が増える
拠点が増えるということは、単純に生活の中に移動時間が加わる。
拠点間の移動時間は自分の時間に充てられるが、その日その場所にいなければならない場合そうもいかない。
オンラインで仕事を行っているとはいえ、移動中はネット環境が不安定になることや周りの環境も考慮すると、どこででもどの仕事も出来ますとはならず、特にオンラインミーテイングの場所は考慮しなくてはならない。
その前後の予定や移動時間の変更も余儀なくされる場合がある。
つい最近私が経験したことだが、七尾から大阪への移動日のこと。
午前中に諸々こなし、午後はゆっくりしてから移動しようと考えていた。 が、急な変更で、落ち着いてオンラインミーテイングを行える場所に予定を早めて移動しなければならなくなった。 やり残したタスクもあり。
こういった変更にも柔軟に対応できる時間管理ができるのが理想だが。
余談だが、「時間や場所にとらわれない働き方」「時間も場所も自由に選べる働き方」といった働き方が関心を集めているが、大阪と七尾、都会と地方といった大きな括りでの「場所」にはとらわれずに働くことはできる。
しかし「七尾内」と「大阪内」という範囲では、働く「場所」にはそれなりに制限があるということは意外と知られていないのではないだろうか。
■拠点が増えるということは、タスクも増える
拠点が増えると物理的にタスクも増えると言える。 単純に2倍とは言わないが、1.5倍くらいだろうか。
例えば、
拠点生活では、その拠点が暮らす場所であり住む場所であるから、仕事だけしていればいいとか、家のことだけではいられない。
そして拠点での滞在時間には限りがある、ということは忘れてはならない。 時間は平等に有限である。
限りがある時間の中で、「やるべきことをどうやるか」のタスク管理ではなく、「何をいつやるか」の時間管理つまり「タイムマネジメント」が超重要スキルだと感じている。
タイムマネジメントとは、時間の使い方を計画して実行すること。 予め決まった予定とタスクやTodoも、区別なくまとめて管理してほしい。 仕事もプライベートも予定もタスクもTodoも全部自分自身の時間の中で行われることだからだ。
■予定もタスクもTodoも全部一緒に管理する
スケジュール管理とタスク管理は、別々で管理され実行されるものとして考えない。
スケジュールもタスクもTodoも区別しない。
1日24時間という前提の中で、外出やアポイントメント・会議という決められた予定を軸にして、タスクもTodoもやるべき時間を充ててスケジューリングするのがポイントだ。
・「タスク」は決められた期限までにやらなければいけない仕事
・「ToDo」は先延ばしにしても困らない、いつかやらねばならない仕事
■スケジュールの可視化=記録のすすめ
おすすめしたいのは、スケジュールの見える化だ。 見える化=可視化をするということは、何らかの記録を残すこと。
人は「やるべきこと・やりたいことを忘れないように何度も思い出す作業」で頭を使ってしまいがち。 この作業は時間を無駄に消費してしまう。 スケジュールの可視化で「やるべきこと・やりたいことを頭の中で考えて消耗するのをやめる」。
自分の意識をすべて「行動」に向けることができ「どうやるか」に頭を使うことがでるようになる。
行動までのタイムラグや行き当たりばったりにならないよう、スケジュールの中でタスクもToDoリストも、いつやるのか?何時に始めて何時に終わるのか?が可視化されていると物事が進めやすくなる。
人間の脳の記憶というのは、自分の都合のいいように覚えているものだ。
事実を正しく記録することで、トラブルやミスを避けることにもつながる。
ぜひともスケジュールは可視化し、記録をしてみてほしい。
行動が明確化され、行動の質が上がることは間違いなしだ。
勤務時間=仕事の時間、それ以外は自分のプライベートの時間=時間外、という概念を取り払えないうちは、自分の時間を自由にコントロールできない。
勤務時間というのはイコール拘束時間だ。 その時間は仕事以外してはならない、という縛りを指す。 リモートワークが可能になったオンライン時代は、仕事と暮らしはすぐ隣にあり、混在している。
例えば、
✓打合せと打合せの合間に、夕ご飯の準備
✓一日デスクワークの日は、合間に子供の送迎・買い物、残ったタスクは夜に
✓打合せがない午前中は子供の相手、午後からは奥さんと交替してリモートワーク
など。
今は仕事の時間だから・・・と縛られていると、暮らしのタスクが溜まっていき、時間外だからと仕事の返事を明日まで持ち越すと、仕事のタスクが後ろ倒しになる。
仕事もプライベートも、流れを止めないことを意識してみてほしい。 時間をパズルのように柔軟に組み合わせるという方法にシフトするとスムーズに物事が進む。
この快適さをぜひ感じてもらいたい。
ゆっくりしたいと思って始めた2拠点居住、のんびり過ごせると思っていたら、意外と忙しい!?と感じるかもしれない。
都会と地方では、時間の流れが違う。 地方には、その地方の現地時間という時間軸が存在する。
都会では味わえない感覚だ。
そこに住む人たちはそのゆったりと流れる現地時間で暮らしており、同じように現地時間の中に身を委ねて過ごすのは、本当に心が落ち着いて、日ごろのストレスから解放された気分になる。
山や川、海などが近いなら、ただそれらの自然を眺めるだけでも至福の時間。
拠点が増えると、移動時間・タスクが増えるのは必然だが、その制限がある中で時間をコントロールして、やるべきことを効率よく行い、いかに自分のやりたいことのために使える時間を確保するかは自分次第。
拠点が増えるということは、その拠点ごとの時間軸で過ごす時間を持てるということ。
都会の刺激と地方ののんびり時間、どちらも味わえる2拠点居住。
・勤務時間という概念を取り払う
・予定もタスクも一緒に記録・管理する
この2つを実行して自分で自分の時間を自由にデザインしていってもらいたい。
自分の本当にやりたいことのために時間を使えるタイムマネジメントを、今日から始めてほしい。
きっと得られるものは何物にも代えがたく、その価値は大きいと思う。
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